- 環境省は2026年9月24日、2026年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうちシナジー型JCM創出事業」で2件を採択した。
- 公益財団法人地球環境センター(GEC)が2026年4月21日から6月1日まで日本の民間企業等を対象に募集し、応募案件を審査した。
- 採択案件は、住友商事株式会社によるフィリピンのLRT-1省エネ化事業と、柴田商事株式会社によるタイの病院における空調設備等の実証事業。
やさしい解説
今回の発表は、日本企業がフィリピンとタイで実施する、温室効果ガスの削減と現地の環境・社会課題の解決を組み合わせた実証事業が選ばれたという内容です。将来のJCMプロジェクトにつながる技術や事業の形を現地で確かめます。
用語解説
- 二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM): 日本がパートナー国と協力し、脱炭素技術などによる温室効果ガスの削減・吸収への貢献を評価する制度です。評価された削減量等はクレジットとして扱われます。
- シナジー型JCM創出事業: JCMプロジェクトとなった実績のない先進的な脱炭素技術を導入し、脱炭素と他の環境・社会課題を同時に解決する案件の形成を支援する実証事業です。将来的にJCMの設備補助事業へ応募することを目指します。
- 設備補助事業: 脱炭素につながる設備の導入を資金面から支援する事業です。今回のシナジー型JCM創出事業は、その設備補助事業への応募につながる案件形成を目的としています。
- GHG: 「Greenhouse Gas」の略称で、日本語では温室効果ガスを意味します。二酸化炭素など、大気中で熱を保持して地球温暖化に影響する気体の総称です。
- 回生制動エネルギー: 鉄道車両などが減速する際、モーターを発電機として働かせることで生じる電力です。この電力を駅設備などで利用すれば、未利用エネルギーの活用と電力消費量の削減につながります。
- OPEX: 設備や事業を日常的に運営するための費用を指す「Operating Expenditure」の略称です。今回のフィリピン案件では、電力消費量の削減によって運営コストを低減し、その余剰分を再投資に活用します。
実務影響
採択された住友商事株式会社と柴田商事株式会社は、それぞれフィリピンとタイで、先進的な脱炭素技術と環境・社会課題の同時解決を目指す実証事業を進める対象となります。JCM案件の形成を検討する日本企業にとっては、採択案件で示された技術構成と課題解決の組み合わせが、今後の事業設計を確認する材料となります。JCMクレジットの買い手にとっては、クレジットの発行量や時期が本発表に記載されていないため、今回の採択だけで調達可能性を判断することはできません。
カーボンリンクの見解:
採択後の実証結果に加え、「設備補助事業」への展開とJCMプロジェクト化の進捗が、実務上の注視点になるとみられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年9月24日 |
| 分野 | 地球環境 |
- 「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)」のさらなる推進に向け、これまでJCMプロジェクトとなった実績のない先進的な脱炭素技術の導入を促進する実証事業に対して補助を行う、2026年度二国間クレジット制度資金支援事業のうちシナジー型JCM創出事業の公募を行いました。
- その結果、応募のあった案件の中から2件を採択しました。
事業目的
本事業は、「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(二国間クレジット制度資金支援事業)」のうち「設備補助事業」への応募を目指すものです。
JCMパートナー国においてJCMプロジェクトとなった実績のない先進的な脱炭素技術を導入し、脱炭素だけでなく他の環境課題・社会課題等を相乗的に解決するJCM事業の案件形成を目的とした実証事業に対して、補助を行います。
採択した案件の概要
「2026年度二国間クレジット制度資金支援事業のうちシナジー型JCM創出事業」の執行団体である公益財団法人地球環境センター(GEC)が、日本の民間企業等を対象に案件を募集しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 募集期間 | 2026年4月21日(火)~2026年6月1日(月) |
| 対象 | 日本の民間企業等 |
| 採択件数 | 2件 |
GECが厳正な審査を実施した結果、以下の2件を採択しました。
| 事業実施団体(代表事業者) | 国名/案件名 | 実証概要 |
|---|---|---|
| 住友商事株式会社 | フィリピン/LRT-1号線における回生失効低減による省エネ化事業 | フィリピン・マニラ首都圏の公共交通機関であるLRT-1において、列車運行時に発生する回生制動エネルギーの未利用分を有効活用し、電力消費量と運営コスト(OPEX)を削減します。その余剰OPEXを乗客増につながる再投資の原資として活用し、フィリピンのモーダルシフトを促進する事業です。余剰となった回生電力を駅設備に供給する装置を導入します。これに加え、変電所における送出電圧の最適化や車両制御ソフトウェアの改修を組み合わせることで、省エネに伴うGHG削減に加え、電力コスト削減によって発生する余剰OPEXを再投資し、フィリピン・マニラで社会課題となっている交通渋滞の解決を目指します。 |
| 柴田商事株式会社 | タイ/バンコク都(BMA)病院におけるAIを用いた高効率空調設備、フロン冷媒処理及び金属資源回収の実証事業 | バンコク都と横浜市の都市間連携に基づき、バンコク都の大規模都立病院において、GHG排出の多くを占める空調機器の高効率化とフロン冷媒の処理を行います。さらに、廃棄機器に含まれる金属資源を適切にリサイクルすることで、循環経済へ貢献します。特に、高効率空調システムへ入れ替える際に、AIを用いてシステム全体のエネルギー効率を最適化し、脱炭素化の取り組み促進を目指します。 |
本件に関する問い合わせ先
公益財団法人地球環境センター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 担当部署・担当者 | 東京事務所 事業第二グループ(担当:久保)、大阪本部 気候変動対策課(担当:南) |
| synergy@gec.jp |
現在、一部テレワーク中のため、上記メールアドレスに連絡してください。電話を希望する場合は、メールにその旨と電話番号を記載してください。募集窓口である公益財団法人地球環境センターから電話します。
環境省 地球環境局 国際地球温暖化対策推進課
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 代表 | 03-3581-3351 |
| 直通 | 03-5521-8246 |
| 課長 | 杉本 留三 |
| 課長補佐 | 北井上 礼樹 |
| 担当 | 三保 紗織 |
関連解説
出典:環境省 2026年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうちシナジー型JCM創出事業」の採択案件の決定について|原文発表日時: 2026-09-24(時刻記載なし)|当記事公開日時: 2026-09-24 16:31 JST
本記事は一次資料をもとにAIの補助で下訳・構成し、編集部が原文と照合したうえで公開しています(確認日: 2026-09-24・編集方針)。

